星を見るうえでの双眼鏡の使い方のコツ
とりあえず何とか見えるようにしよう
双眼鏡の機能説明でも書きましたが双眼鏡にはCF式とIF式がありまして以下はポピュラーなCF式の説明をいたします IF式はCF式の視度差調整が無く、右目、左目と個別にピントを出すだけです
ちなみに、ピントの調整や視度差調整、眼幅調整はどんな双眼鏡でも最低限の説明は書いてあるはずなので、最初にソチラを見てね 双眼鏡の機種によって驚きのギミックとか隠れてたりするから
アイポイントを調整しよう
これも機種によって違いますがゴム見口の場合と、スライド見口の機種があります
ゴム見口の場合
眼鏡を使ってそのまま双眼鏡を覗く人はゴム見口を裏返しましょう これにより接眼レンズと眼の距離が詰めれて視界がケラれるのを防げます
裸眼の人はそのまま使いましょう
スライド見口の場合
裸眼の人は見口を回すか引っ張るかして(機種によって違う)スライド見口をせり出しましょう これにより接眼レンズと眼の距離が確保できブラックアウトすることを防げます
眼鏡の人はそのまま使いましょう
左目のピントを出そう
CF式は大抵双眼鏡の真ん中後ろか真ん中上部にピントを調整するピンとノブがあります IF式は左右の接眼レンズ部に個別にあるはずです
星を見るので見えやすい月や遠くの鉄塔の赤ライト(本当は空の星のほうが良い)でまず左目のピントを調整します 左右の視力がほぼ同等の人は普通に両目でピントを調整すれば良いと思います 左右の視力が違う人や、IF式の場合は右目を瞑って調整しましょう
右目の視度を調整しよう
双眼鏡の機種によって違う場合もあるのですが、大抵右接眼レンズ部に右目の視度差調整ノブがあると思います(ピンとノブを引っ張ると視度調整が出来る機種もあります) さきほど左目のピントは合わせたので、今度はその右目視度差調整ノブを回して右目のピントを合わせてください
この調整が終われば、あとは双眼鏡センターのピントリングのみの調整で近いところを見ても無限遠ところを見ても、左右で見え方が違うと言うのが無くなっている筈です
IF式の場合は単純に右目のピントリングでピントを合わせてください
眼幅を調整しよう
双眼鏡は左右に広げたり閉じたりして左右の接眼レンズの幅を調整できるようになっています 左右で見てみて視野円が左右同じところに重なって真円になったところが貴方の目幅です 一回、一回調整するのが面倒な人は眼幅メモリが付いている機種ならそのメモリを覚えておくか印をつけておきましょう
これで、貴方が双眼鏡を向けた夜空にある全ての物が綺麗に見えるようになっている筈です
ちょっとした双眼鏡を使う上でのコツ
ストラップを使おう
大抵の双眼鏡には首から掛けられるようにするストラップが付いていると思います 手が滑った時の落下等の不意のアクシデントに備えて面倒でも首にかける様に心がけましょう
左右の光軸がある双眼鏡はある意味、望遠鏡よりも精密機器です 落としちゃったら終わりと思ってください
と言いつつ、望遠鏡がメインとなった私はストラップを掛けずに双眼鏡でチョイ見とかしちゃってますが・・・
皆さんは双眼鏡を可愛がってあげてね!
身体を安定させよう
手で持って使うことを前提としている双眼鏡ですが、やはり手ブレが気になる事があります そんなときは、ベランダや車の天井に肘を付くとか 椅子に座って見てみるとかしてみると効果があります
使わない時はレンズキャップをしよう
夜露が気になるときは見ていないときはレンズキャップをしておきましょう 夜露は上から降ってくるので首から双眼鏡を掛けているときは上部の接眼レンズだけでもキャップを掛けていると夜露対策になります
三脚を使おう
双眼鏡で綺麗に星を見るならガッシリしたカメラの三脚に双眼鏡を載せるのが一番です 三脚にくっつけるので双眼鏡の手ごろさは減少してしましますが、観望会や仲間内で星を見にいったときに自分が見ていたものをほかの人にも見てらいたい時ってありませんか?
三脚に固定できれば他の方も貴方と同じ物を見る事ができ手ブレも無いので手持ちでは見えなかった微光星も見えるようになっていることでしょう
月乃都の三脚双眼鏡システム
写真をつけるのが一番理解してもらいやすいと思うのですが、とりあえず写真撮っている時間も無いやっつけ仕事ですのでメーカー名・と機材名を書いて説明します 私がこの機材を使っているだけで他のメーカーや機材でも同じことができると思います
メーカー | 種別 | 機材名 | |
@ | ニコン | 手持ち双眼鏡 | 8×42 モナークV |
A | ニコン | 三脚アダプター | TRA-3 |
B | ビクセン | 微動雲台 | 微動雲代 |
C | スリック | カメラ三脚 | プロ500DXV |
D | 日本製 | 座高調整椅子 | ワーク・パイプチェア |
E | ホームセンター | 折りたたみ踏み台 | カラフルステップ |
@:手持ち双眼鏡
ビノホルダーが取り付けられるタイプで無いといけません ビノホルダーさへ合えばどの双眼鏡でも使えるので私は8倍と10倍のモナークを使い分けてました
ビノホルダーの取り付けネジが無いタイプでもビクセンが出しているキャリングビノホルダーとサイズが合えば三脚に取り付けられます
http://www.vix en.co.j p/bino/ option/ op01.ht m
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ビクセンのビノホルダーのサイト
A:三脚アダプター
一般的にビノホルダーと呼ばれています 双眼鏡と三脚を繋ぐ金具?です
ビノホルダーですが専用で無いかぎり、店に実物を持って双眼鏡にビノホルダーを装着して実際に双眼鏡を覗いてテストして見たほうが無難です
カメラネジは万国共通なのでネジ系が合わないと言うことは無いのですが、今ままで実際に会った不具合を述べますと・・・
A:ビノホルダー側と双眼鏡側のネジ深さの問題
ビノホルダーのオネジより双眼鏡側のメネジが浅いと最後まで締め付けれません ブラブラ状態になります
これはカメラ三脚側のオネジとビノホルダー側のメネジでも同じことが言えます(ビノホルダー側のメネジが貫通タイプなら問題ないです)
B:眼幅が確保出来ない場合
ビノホルダーが双眼鏡に装着できるので、安心 と思っていざ実際に使うと眼幅が確保できない場合があります
ポロタイプ用のビノホルダーにダハタイプの双眼鏡を使う場合に多いです
上記理由でどうしても付けられない双眼鏡だと ビクセンで言うとキャリングビノホルダーと言う双眼鏡ケースとしてもビノホルダーとしても使える物も売ってます
カメラネジ方式よりも安定性が欠けるのと価格が少々高いのがありますが・・・
一番、安心できるのは専用ビノホルダーがあれば、専用を使うのが一番です
私はニコンのモナークをもっぱら愛用しているのですが、某大手カメラ屋でモナーク(ダハタイプ)に付くビノホルダーおくれと言ったら平気でアクション用(ポロタイプ)のビノホルダー持って来ましたから・・・
B:微動雲台
これは無くても@+A+Cでも使えるのですが、微動があると導入後の天体追尾が物凄く楽です カメラ三脚ってフリーストップの経緯台とは違って、少しだけ動かしたいのにパーン棒を緩めたとたんにカクッ!っと動くとか茶飯事ですから・・・
前周微動では無いので、使用前に中間地点に戻しておくのがトラブらないコツです(動かしていたら、これ以上動か〜〜ん!って事になるんで)
C:カメラ三脚
三脚はなるべく大きくて重いほうが良いです 最新の三脚ってカーボン製の軽くて丈夫が売りですが、重くてもイイので頑丈なのを買いましょう 三脚の脚を伸ばした時が自分の身長くらいあればベストなんですが、そんな三脚ってめっちゃ高価だよなぁ・・・・
直視型の双眼鏡は水平方向を見ているときと天頂(頭の真上)を見ているときと接眼位置が凄く変わりますのでエレベータのストロークも長いほうが良いでしょう
ちなみに、双眼鏡を取り付ける対物レンズ側にパーン棒を持ってきます これは接眼レンズ側にパーン棒があると天頂付近に向けた時にパーン棒が三脚の脚に干渉してしまうためです
あらかじめ目標天体をいれるまえに三脚の脚が無いところに自分の体が収まるように三脚自体の向きを変えてから天体導入しましょう 接眼レンズの真下に三脚の脚があると物凄く邪魔です
D:高さが調整できる椅子
自分の身長を超えるような三脚があれば良いのですが、そうでない場合は諦めて 天頂付近を見るときは高さの調整できる椅子のほうで双眼鏡の接眼レンズの高さに調整してやります
また、自分が座ることによって自分の身体も固定されるので星も綺麗に見やすくなります これが無いと、天頂付近は中腰になって首だけ上に向けながら身体をプルプル震わせながら見ることになるので、三脚を使っても余り良く見えなかったりします
E:折りたたみ踏み台
自分だけが見る場合は椅子があればイイのですが、お子さんが居る観望会や女性が居るような時はあったほうが良いです たまにギリギリ身長が足りなくて背伸びしながら双眼鏡を覗かれる方が居ますが、無理な体勢では双眼鏡は綺麗に見えません 双眼鏡は両目で見るため機材も見る人も水平方向にあわせて見てやる必要があり、どの方向からでも接眼レンズさへ覗けれれば良い望遠鏡はこの点に関しては余り気にしなくても良かったりします
私は@〜Dの装備で3年ほど手持ち双眼鏡のみ(フィールドスコープもあったけど)で星見を楽しんでいました(@はアクションExだったけど)