月乃都流 双眼鏡の選び方



 私的 双眼鏡(最初の一台目:二台目以降は一台目と性能がかぶらない方がイイかと)を選ぶポイントです
判らない用語が在ればカタログの見方が判らない!を参照してください   それでも判らなければ連絡下さい
 もし、既に双眼鏡をお持ちならば無理をして買われなくても、その双眼鏡を使って見ましょう  2台目はその双眼鏡を使い倒して不満が出てからでも遅くはありません



倍率・口径・瞳径

 倍率は7〜10倍(高倍率ですと手振れの問題や実視界が狭くなります)
 口径は30〜50mm(これより大きいと疲れます、星見だと40mmは欲しいかも 私は8倍×42mmに落ち着きました)
 瞳径は4〜7mm(口径mm÷倍率です 大きいほうが明るく見えます、最近は明るすぎるのも良く無いと言う意見もあります)
 

 ここら辺は好みになりますがズーム双眼鏡は止めて置いた方がイイです   ビクセン・ニコン等、信用が置けるメーカーでもズーム双眼鏡の評価は芳しくありません   シンプル・イズ・ベストですね
 口径は大きい方が良いのですが、大きいと重く嵩張りますし価格も高くなる傾向にあります
瞳径も人によってそれぞれですね  瞳径7mmは明るすぎてコンストラクトが落ちると言う人もいますが暗いところで見る分には影響は少ないと思いますし、淡い彗星などには7mm径が良いとも聞いたことがあります  私は瞳径5mmくらいが使いやすいです
 ポロ型、ダハ型も好みですかねぇ   同じメーカーで同じ価格ならポロ型のほうが優秀と聞きますが、製造精度も昔にくらべて上がってきているので私は気にならないです

 私のお勧めは8倍×4cmのダハ型ですかねぇ  倍率も大きさも中間ですし、ダハ型だとスマートなので これくらいのサイズなら星見以外でもイロイロ活躍しそうです
上記、点は好みの範囲ですが他にもイロイロ、チェックどころは多いです



他のチェック項目

@:ハイアイポイントであること
 ハイアイレリーフだとかロングアイレリーフとか表示されている場合もあります   
 アイレリーフ、双眼鏡を使用する時のレンズから眼の適正位置が15mm以上であること   私としては出来れば17mmは欲しいです   私は眼鏡をかけているのでこれが短いと全体が見えない(ケラれる)んです
 ただ、カタログ上はアイポイント18mm〜20mmとか書いてあっても見口の形状が出っ張ってて実際には眼鏡と双眼鏡の見口が干渉してしまうと言う例があるので、実機で確認されたほうがよろしいです(大抵、双眼鏡の広告写真は正面から撮ってあり見口側の形状が見えない物が多い)


 




↑の写真は同じシリーズの双眼鏡なのですが左側の双眼鏡の接眼レンズ部が、ほぼフラットなのに
対して右側の双眼鏡のはレンズから5mm近く見口がせり出しています   スペック状は両方とも
アイレリーフ18mmとありますが、右側の双眼鏡だと実質 18mm-5mm=13mmで眼鏡を使用した
場合、眼←→眼鏡間の距離を稼ぐことが出来ず、視界がケラれてしまいます





A:スライド見口であること
 ホップアップ見口とも言います   接眼部がゴムの輪っかタイプだと眼鏡を使って使用する時にゴム見口を裏返さないと視野がケラれてしまうので折り返すのですが、これ繰り返してたら そのうちゴム見口劣化して切れちゃうよね   いちいち面倒くさいし
 スライド見口は通常は収納されていて、眼鏡を使って無い人が使うときに見口を繰り出して使うのです   見口を回せば見口がせり出てくるので楽に見口の収納・引き出しが出来ます





上の画像はゴム見口の双眼鏡で下の画像がホップアップスライド式の双眼鏡です
ゴム見口の双眼鏡だと眼鏡を使う時にゴム見口を裏返して眼-眼鏡間の距離をかせぐのですが
毎回、毎回見口を折り返すのも面倒ですし、そのうちゴムが切れてきちゃいそうですよね

その点、ホップアップ式見口だと見口を手で回転させると見口がせり出てくるので
素早く見口の収納・展開が可能です






B:防水であること
 星を見るときは雨の日は使わないから防水である必要は無い?   答えはNOです   そりゃ、雨は降らないかもですが夜に使うと夜露とか霜とか双眼鏡が凍っちゃうとか結構過酷だったりします
 防水してない双眼鏡とかだと、双眼鏡内部が結露したりした時に乾かそうにもナカナカ乾かせないんでレンズにカビが生える原因になります  
 あと、防水されていると曇りにくいです   寒い日に外から部屋の中に入ると眼鏡は一瞬にして曇りますが、そんな時でも防水双眼鏡は曇らなかったりします



C:ビノホルダーが取り付けられること
 ビノホルダーとは三脚を使うさいに双眼鏡と三脚を繋ぐ為の金具?です   3cm以下の小さい双眼鏡は無い場合が多いです
三脚を使いたい人は確認しておきましょう



D:実視界が5〜8°であること
 実視界  実際に夜空を見た時の見える範囲です   これが狭いと星を探すのが大変ですし、あまり広視界の物は周辺像が甘くなる傾向のようです 
 同じく見かけ視界が44°以上であること   見かけ視界=倍率×実視界だと思って下さい(私的所感でニコン アクションEx7×50以上であること:この双眼鏡以下だと見ていて窮屈すぎると感じました)



E:レンズのコートが出来ればマルチコート以上であること
 レンズのコートがショボイと光の損失が大きかったり、ゴースト、ハロ、フレア等の見え難くなる現象が出たりします   酷い物ですと月を見ると実像かと思うようなゴーストが発生しゴーストで月の海が確認できちゃったりします
 あまり安物でなければソコソコのコートはしてあると思います   表面が赤色のルビーコートとか派手な色のコートは止めておいたほうがイイです(これは軍用の対赤外線投光器の為のコートらしいです 視野が全体的に青くなります)



F:私の裸眼(近視0.3くらい)で無限遠が合焦すること
 通常、眼鏡を掛けたまま双眼鏡を見るのですが、たまに眼鏡を外して双眼鏡を覗きたくなることもあります   ピント幅が狭い双眼鏡だと、視力が悪い眼で見ると無限遠の対象物にピントが出ない事があったりします   でも、これは実機で無限遠を見ないとお店とかでは判りませんよね・・・(某、三重の天文ショップでは遠くの風力発電所とか無限遠を見させてくれるので こ〜ゆ〜とこだと試せますね)





 私がメガネを使用してなければ@とAとF外せるので、もっと双眼鏡を選べる範囲が広がったのですが・・・(一時期、コンタクトレンズを真剣に考えました:怖いから止めましたけど)  メガネ無ければニコンEUが欲しかった・・・(防水じゃないけど)
ただ、@のアイポイントだけは眼鏡を使用していない方でも、ある程度あったほうが覗きやすいですし、アイポイントが短すぎると睫毛で汚れるとかあったりします


 上記を考慮して選んでいただければ大ハズレな双眼鏡を買う失敗は少ないかと思います。
ちなみに上記を選ぶと大抵、1万円以上の普及機モデル以上になってしまうと思います   もう少しローコストで〜 と考えられる方も居るかと思いますが眼鏡と双眼鏡を比較してみて下さい   眼鏡はレンズが一組くっついているだけですが、双眼鏡には少なくとも対物レンズ、プリズム、接眼レンズと単純に考えて眼鏡の3倍以上の光学系を組み込んであります
 最近、眼鏡も安くなってきていますが、その値段を3倍してみてください   どうです?   それでも1万円はオーバーしちゃってるのでは無いでしょうか?